先週に引き続き、今週末もまた雪だ。今年は雪が多いような気がする。
東京でこの景色をみるのは新鮮だ。札幌にいた頃を思い出す。
チャイコフスキー交響曲第一番「冬の日の幻想」という曲がある。
自分は縁があり2回演奏をしたことがあるが、タイトルの「冬の日の幻想」と実際に演奏してみた曲想がうまく結びつかずにいた。
二年間札幌で暮らしていたが、北国で生活をしてみると、あのような曲想が少しは理解できたような気がした。そんなことを、新千歳空港から札幌へ向かう列車で景色の眺めなら考えたりしたこともある。
まず、共感できるのが一楽章。
ところどころ、フォルテッシモで同じ音形をしつこく繰り返す部分がある。
札幌で生活をしていると、冬には一週間ずっと吹雪で、どんより雲が覆っていて太陽がいっこうに見えないということもあった。
それに耐えていると、まだ続くのかという思いにもなってくる。少しうんざりし、精神的に参りそうになっても耐え続けるという過程を経ると、あのしつこいフレーズもなんとなく共感できてくる。
二楽章の冒頭では、冷たい空気感やつんと張った空気感、広大な大地が表現されている。
いづれもなんとなくイメージはできていたが、いまいち実感としては理解できていなかった。
これも、広大な大地以外は、実感として理解ができた。
四楽章の後半では、和音が重ねられ、弦楽器は細かく刻んでいる。
自分としては、実際の演奏とは別に、楽譜が白い音符でずっと書かれていることもあり、雪の白さや、寒さで頭が真っ白になりぼうっとしている状態をイメージしていた。
実際に生活をしてみると、吹雪で視界がはっきりせず、幻をみているようなイメージもしっくりきた。
こういう風に改めてイメージしてみると、「冬の日の幻想」というタイトルも理解できてくる。
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