2016年11月30日水曜日

個展巡り

今日は(日付が変わってしまったので、厳密には昨日ですが)、個展を2件ハシゴしてきました。

最初は、林典子さんの「ヤズディーの祈り」を見に、銀座ニコンサロンへ行きました。



結構好きで見ているクレイジージャーニーという番組にゲスト出演してらっしゃって、そこで個展の紹介がされていたので、気になって見に行ってきました。

個展というものをみるのが、多分ほとんど初めてなので、他と比較した、イケている感想は言えないのですが、素直な感想を。


イスラム国に襲われ難民となってしまった人達の写真。

疎いことばかりで申し訳ないのですが、世界史とかを学ぶとき、教科書などでは「〜民族が〜民族を侵略した」とかいう感じで、せいぜい数ページ程度でさらっと書かれてしまうけど、当然ですが、現実には侵略する側とされる側がいるわけです。

ミクロな視点でみていけば、集団ではなく一人一人の人間が関与しているわけです。

それぞれの人には、当然それぞれの事情・背景があります。

そういう背景・事情を想像させるような写真たちでした。

林典子さんのブログに記載がありますが、「インパクトのある写真」を外したからそういう風にみえるのかもしれませんね。



見終わったあと、少し周囲をぶらついていたら、近辺には画廊が数箇所固まっていました。
このへんは画廊がたくさんあるなんて意外な発見。銀座くるときは大通り沿いをあるくことが多いので初めて知りました。


その中でも入りやすそうだった、シロタ画廊へ。展示している内容も版画ということで興味があったので。

この期間展示されていたのは吹田文明さんという方の作品。

これまた、自分は全く知らない方。中の紹介文などをみるとその業界では有名な人らしい。

版画とか小学校のときに少しやった程度で、全く疎い。。。

そんな素人でも、好きだなって思ったのが、『銀河を渡る』という作品と『美しき銀河を行く』という作品。

蝶々が星空を渡っていくような作品ですが、木目を利用している作品で、版画だからこそというか、木目の利用の仕方がうまい!と素人ながら思ってしまいました。



個展巡りとか初めてしたけど、なんか楽しい。

美術館とかよりも、その作者ともっと個人的に近づいている気になれるというか、自分だけしか知らない展示会をみにいっている感じとか。

完全に自己満だけど。

小さい画廊へ入るハードルが下がったので、今後も定期的にチェックしてみたいと思う。




というか本当は、今やっているクリスチャン・ボルタンスキーの『さざめく亡霊たち』を見に行きたかったけど、時間がなくなってしまったので予定変更したので、また時間あるときに今度は、クリスチャン・ボルタンスキーを見に行こうと思う。


2016年11月18日金曜日

ディリクレ指標の具体的計算---原始的(primitive)な指標を求めてみる

$N=3$の場合

では$N=3$のときから順番に求めていきたいと思います。
$\left(\mathbb{Z}/3\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{2}\}=\left<\bar{2}\right>$となっています。 $$\begin{array}{|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{-1} \\ \end{array}$$ このぐらいであれば、元の数がまだ少ないので、最悪の場合でも行き当たりばったりでも、それぞれの元の写り先が求められます。 全ての元を1へ写す指標(=主指標)は必ずあるので、それが 上の表でいうところの$\chi_0$です。
その他に、$\bar{2}=\bar{-1}$であるので、$\chi$が準同型であることから$\chi(\bar{-1})=-1$であるような写像もなければなりません。それが上の表でいうところの$\chi_1$です。

これで、導手$N=3$の指標は尽きます。
というのも、$\chi(\bar{2})=e^{\frac{2\pi i k}{2}}$ ($k=0,1$)であるから、$\bar{2}$の写り先は$k=0$に対応する場合か$k=1$に対応する場合、つまり$1$か$-1$しかないので、上記の指標で尽くされます。
$\mathbb{N}$の元に対応する形で表を書いてみると、こうなります。
$$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}$$

$N=4$の場合

$\left(\mathbb{Z}/4\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{3}\}=\left<\bar{3}\right>$となっています。
この場合も考え方は$N=3$のときとほとんど同じです。結果だけ書きます。 $$\begin{array}{|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{-1} \\ \end{array}$$
同様に$\mathbb{N}$の元に対応する形で書くとこうなります。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \end{array}$$

$N=5$の場合

このあたりから様子がちょっと変わります。
$\left(\mathbb{Z}/5\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{2},\bar{3},\bar{4}\}=\left<\bar{2}\right>=\left< \bar{3} \right>$となるので、$\bar{2}$もしくは$\bar{3}$の行き先を決めれば、すべて決まります。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} & \Large{\bar{3}}& \Large{\bar{4}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{i} & \Large{-i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-i} & \Large{i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \end{array}$$ 以上で$N=5$の指標は尽くされます。 $N=3,4$のときと同様に、$\bar{2}$の行き先を決めるという方向性で考えていけば、($\bar{3}$から考えても結局は同じですが)  $\chi(\bar{2})=e^{\frac{2\pi i k}{4}}$ ($k=0,1,2,3$)で$k=0$に対応する場合を$\chi_0$、$k=1$に対応する場合を$\chi_1$という感じで決めていきます。(どれを$\chi_1$とするかは自由。)
同様に$\mathbb{N}$の元に対応する形で書くとこうなります。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & i &-i & -1 &0 & 1 & i & -i & -1 & 0 & 1 & i & -i & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & -i & i & -1 & 0 & 1 & -i & i & -1 & 0 & 1 & -i & i & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & -1 & -1 & 1 & 0 & 1 & -1 & -1 & 1 & 0 & 1 & -1 & -1 & 1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}$$

$N=6$の場合

$\left(\mathbb{Z}/6\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{5}\}=\left<\bar{5}\right>$となっています。
これも$N=3,4$のときと同様です。なので結果だけ。 $$\begin{array}{|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{5}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{-1} \\ \end{array}$$
同様に$\mathbb{N}$の元に対応する形で書くとこうなります。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}$$

$N=7$の場合

これは$N=5$の場合に似ています。 $\left(\mathbb{Z}/7\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{2},\bar{3},\bar{4},\bar{5},\bar{6}\}=\left<\bar{3}\right>=\left< \bar{5} \right>$となるので、$\bar{3}$もしくは$\bar{5}$の行き先を決めれば、すべて決まります。
$\bar{3}$の行き先を決める方向性で決めていく($\bar{3}$の列をみる)と、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} & \Large{\bar{3}}& \Large{\bar{4}} & \Large{\bar{5}}& \Large{\bar{6}}\\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & e^{\frac{2\pi i }{3}}& e^{\frac{\pi i }{3}}& e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{5\pi i }{3}} & -1\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_4} & \Large{1} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_5} & \Large{1} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{5\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{\pi i }{3}} & -1\\ \hline \end{array}$$ となります。
以上で$N=7$の指標は尽くされます。 同様に$\mathbb{N}$の元に対応する形で書くとこうなります。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & 1 & -1 & 1 & -1 & -1 & 0 & 1 & 1 & -1 & 1 & -1 & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_4 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_5 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \end{array}$$

$N=8$の場合

ここでも、今までとは違ったパターンが出てきます。
$\left(\mathbb{Z}/8\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{3},\bar{5},\bar{7}\}=\left<\bar{3}\right> \times\left< \bar{5} \right>$となるので、$\bar{3}$と$\bar{5}$の両方の行き先を決めれば、すべて決まります。
$\bar{3}$も$\bar{5}$もそれぞれ位数が2なので、それぞれについて$N=3,4,6$のときと同じように$1$、$-1$を対応させます。
$\bar{3}$が$1$へいくか$-1$へいくか、$\bar{5}$が$1$へいくか$-1へいくか$なので、指標は全部で4つ出てきます。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} & \Large{\bar{5}}& \Large{\bar{7}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \end{array}$$ 同様に$\mathbb{N}$の元に対応する形で書くとこうなります。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \end{array}$$
便宜上、$N=n$のときの$i$番目の指標を$\chi_{i,n}$のような表記で書くことにする。

$\pi_{8,4}$を$\left(\mathbb{Z}/8\mathbb{Z}\right) ^{\times}$から$\left(\mathbb{Z}/4\mathbb{Z}\right) ^{\times}$への自然な全射準同型とすると、  \[ \chi_{2,8}=\pi_{8,4} \circ \chi_{1,4} \] となっています。
実際、比較してみれば$N=4$の指標表が、 $$\begin{array}{|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{-1} \\ \end{array}$$ $N=8$の指標表が、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} & \Large{\bar{5}}& \Large{\bar{7}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \end{array}$$ となっています。

もしくは$\mathbb{N}$の元に対応する形の表であれば、$N=4$のときの$\chi_1$は、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \end{array}$$ 一方、$N=8$のときの$\chi_2$は、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & ・・・\\ \hline \end{array}$$
つまり、$N=8$の指標 $\chi_2$は$N=4$の指標 $\chi_1$から誘導されます。さらに言い方と変えれば$N=8$の指標 $\chi_2$の導手は$4$となります。

$N=8$の $\chi_2$以外の指標(自明な指標 $\chi_0$は除く)は$N=4$の指標との合成では書けないので、原始的、primitiveな指標です。

これが、前回の記事(ディリクレ指標の定義)の定義1-2-2や定義2-2のように考えるやり方。

定義1-2方式で考える場合には8の約数(4と8)での指標全て、合計6個を対象にそれを$\rho$とします。$\rho$の選び方によっては$\rho(n) = \chi(n) ( \forall n , (n,8)=1)$ではあるものの必ずしも8の指標ではないものもあるので、そういう$\rho$が取れてしまう$\chi$は原始的ではありません。

$\chi_1$や$\chi_3$であれば、$\rho(n) = \chi(n) ( \forall n , (n,8)=1)$ならば、$M=8$が言えるので、原始的です。

定義1-2-2や定義2-2方式のほうが現代っぽくて、回りくどくないので、以下の例ではすべて定義1-2-2や定義2-2方式で書きます。

$N=9$の場合

同様に、$\left(\mathbb{Z}/9\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{2},\bar{4},\bar{5},\bar{7},\bar{8}\}=\left<\bar{2}\right>=\left< \bar{5} \right>$なので、$\bar{2}$か$\bar{5}$の行き先を決めれば、すべて決まります。
(結局同じことになりますがが)$\bar{2}$の行き先を決める方向で進めます。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} & \Large{\bar{4}}& \Large{\bar{5}} & \Large{\bar{7}}& \Large{\bar{8}}\\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & e^{\frac{\pi i }{3}}& e^{\frac{2\pi i }{3}}& e^{\frac{5\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} & -1\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_4} & \Large{1} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_5} & \Large{1} &e^{\frac{5\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} & -1\\ \hline \end{array}$$ となります。
以上で$N=9$の指標は尽くされます。

同様に$\mathbb{N}$の元に対応する形で書くとこうなります。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & e^{\frac{\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & e^{\frac{\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & 0 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & -1 & 0 &1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 &1 & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_4 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 0& ・・・\\ \hline \chi_5 & 1 & e^{\frac{5\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & e^{\frac{5\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0& ・・・\\ \hline \end{array}$$
$\pi_{9,3}$を$\left(\mathbb{Z}/9\mathbb{Z}\right) ^{\times}$から$\left(\mathbb{Z}/3\mathbb{Z}\right) ^{\times}$への自然な全射準同型とすると、 \[ \chi_{3,9}=\pi_{9,3} \circ \chi_{1,3} \] となっています。
実際、比較してみれば、$N=3$の指標表が、 $$\begin{array}{|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{-1} \\ \end{array}$$ $N=9$の指標表が、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} & \Large{\bar{4}}& \Large{\bar{5}} & \Large{\bar{7}}& \Large{\bar{8}}\\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & e^{\frac{\pi i }{3}}& e^{\frac{2\pi i }{3}}& e^{\frac{5\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} & -1\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_4} & \Large{1} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_5} & \Large{1} &e^{\frac{5\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} & -1\\ \hline \end{array}$$ となっています。

もしくは$\mathbb{N}$の元に対応する形の表であれば、$N=3$のときの$\chi_1$は、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}$$ 一方、$N=9$のときの$\chi_3$は、 同様に$\mathbb{N}$の元に対応する形で書くとこうなります。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & -1 & 0 &1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 &1 & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}$$ つまり、$N=9$の指標 $\chi_3$は$N=3$の指標 $\chi_1$から誘導されます。さらに言い方と変えれば$N=9$の指標 $\chi_3$の導手は$3$となります。

$N=9$の $\chi_3$以外の指標(自明な指標 $\chi_0$は除く)は$N=3$の指標との合成では書けないので、原始的、primitiveな指標です。

$N=10$の場合

同様に、$\left(\mathbb{Z}/10\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{3},\bar{7},\bar{9}\}=\left<\bar{3}\right>=\left< \bar{7} \right>$なので、$\bar{3}$か$\bar{7}$の行き先を決めれば、すべて決まります。
(結局同じことになりますがが)$\bar{3}$の行き先を決める方向で進めます。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} & \Large{\bar{7}}& \Large{\bar{9}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{i} & \Large{-i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-i} & \Large{i} & \Large{-1}\\ \hline \end{array}$$ 以上で$N=10$の指標は尽くされます。

同様に$\mathbb{N}$の元に対応する形で書くとこうなります。 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0& ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 &i & 0 &0 & 0 & -i & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 &i & 0 &0 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & 0 & -1 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & 0 & -i & 0 & 0 & 0 & i & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -i & 0 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}$$ $\pi_{10,5}$を$\left(\mathbb{Z}/10\mathbb{Z}\right) ^{\times}$から$\left(\mathbb{Z}/5\mathbb{Z}\right) ^{\times}$への自然な全射準同型とすると、 \[ \chi_{10,1}=\pi_{10,5} \circ \chi_{2,5} \] \[ \chi_{10,3}=\pi_{10,5} \circ \chi_{1,5} \] となっています。($\chi$の対応の順番に注意。$\chi_1$に対して$\chi_2$が対応というように順番が入れ替わっている。)

実際、比較してみれば、$N=5$の指標表が、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} & \Large{\bar{3}}& \Large{\bar{4}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{i} & \Large{-i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-i} & \Large{i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \end{array}$$
$N=10$の指標表が、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} & \Large{\bar{7}}& \Large{\bar{9}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{i} & \Large{-i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-i} & \Large{i} & \Large{-1}\\ \hline \end{array}$$
もしくは$\mathbb{N}$の元に対応する形の表であれば、$N=5$のときの$\chi_2$は、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & -i & i & -1 & 0 & 1 & -i & i & -1 & 0 & 1 & -i & i & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}$$
$N=10$のときの$\chi_1$は、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 &i & 0 &0 & 0 & -i & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 &i & 0 &0 & ・・・\\ \hline \end{array}$$ 従って$N=10$の指標 $\chi_1$は$N=5$の指標 $\chi_2$から誘導されます。さらに言い方と変えれば$N=10$の指標 $\chi_1$の導手は$5$となります。


さらに、$N=5$のときの$\chi_1$は、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & i &-i & -1 &0 & 1 & i & -i & -1 & 0 & 1 & i & -i & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}$$ $N=10$のときの$\chi_3$は、 $$\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & 0 & -i & 0 & 0 & 0 & i & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -i & 0 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}$$ 従って$N=10$の指標 $\chi_3$は$N=5$の指標 $\chi_1$から誘導されます。さらに言い方と変えれば$N=10$の指標 $\chi_3$の導手は$5$となります。

$N=10$の $\chi_1$と$\chi_3$以外の指標(自明な指標 $\chi_0$は除く)は$N=5$の指標との合成では書けないので、原始的、primitiveな指標です。

$N=11$の場合

$N=5,7$などのときと同様の流れなので省略します。この場合も指標はすべて原始的、primitiveです。

$N=12$の場合

同様に、$\left(\mathbb{Z}/12\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{5},\bar{7},\bar{11}\}=\left<\bar{5}\right>\times\left< \bar{7} \right>$なので、$\bar{5}$と$\bar{7}$の行き先を決めれば、すべて決まります。

ここあたりまでくれば、ほとんど今までの繰り返しです。$N=8$のときを参考に原始的指標まで求められると思います。

さすがに量が多くなってきたので具体的な指標表を書くのは省略します。

$N=13$以降

これについても大抵の場合は今までの繰り返しと組み合わせです。
指標表が大きくなってしまうので省略します。というか暇があれば、その先も書こう書こうかとも思いますが、いずれにせよ今回はここで終わりにします。
続きを書く場合には別記事にしようかと思います。


2016年11月16日水曜日

ディリクレ指標の定義

今までとは少し趣向を変えて、数学の話題についてもかこうと思います。

で、しかもいきなりですが、ディリクレ指標やL関数あたりのやや専門外の人にとってはマイナーな話題について書こうと思います。

まずは今回はディリクレ指標の定義などについて書きます。

ディリクレ指標の定義1-1

以下の3つの性質を満たす$\chi : \mathbb{N}\longrightarrow \mathbb{C}$を$\mod N$のディリクレ指標という。

  1. $a \equiv b \mod N \Longrightarrow \chi(a)=\chi(b)$
  2. $\chi(ab) = \chi(a)\chi(b)$
  3. $(a,N)\neq 1 \Longrightarrow \chi(a) = 0$

1.のは一度$\mathbb{N} \rightarrow \mathbb{Z}/N\mathbb{Z}$と写し、$\mathbb{N}$からの写像とはいいつつも実際は$\mathbb{Z}/N\mathbb{Z}$上の写像のように考えているという意味です。
2.はわざわざ説明するまでもないかと思いますが、$\chi$が準同型だという意味。
3.は1.に加えさらに、$\left( \mathbb{Z}/N\mathbb{Z} \right)^{\times}$上に制限して考え、それ以外は0にします、という意味です。

原始的ディリクレ指標の定義1-2-1

$\chi$が導手$N$の原始的ディリクレ指標とは、任意の$N$の約数$M>0$(真の約数ではないので、$N$の場合も含む)と、任意の$\mod M$のディリクレ指標$\rho$に対し、 $\rho(n)=\chi(n)$($\forall n , (n,N)=1$)ならば$M=N$となるものをいう。

$\rho$の条件を満たす指標で、導手が最小のものを$\chi$に付随する原始的指標という。

原始的ディリクレ指標の定義1-2-2

ほとんどいっていることは同じですが、間にワンクッション入れ、誘導される指標を定義してから原始的ディリクレ指標を定義する方法もあります。
  1. $M$を$N$の約数とする。また、$\psi$を$\mod M$のディリクレ指標とする。このとき、 \[ \chi(n)=\begin{cases} \psi(n) & ((n,N)=1) \\ 0 & ((n,N) \neq 1) \end{cases} \] と定めれば、$\chi$は$\mod N$のディリクレ指標になっている。(真面目になるならこれも確かめる必要がある。ほぼ明らかだけど。)

    このとき、$\chi$を$\psi$から誘導されたディリクレ指標という。
  2. $\chi$を$\mod N$のディリクレ指標とする。
    $M$を$N$の真の約数とする。また、$\psi$を$\mod M$のディリクレ指標とする。
    このとき、$\chi$が$\psi$から誘導されないのであれば、$\chi$を原始的ディリクレ指標という。
  3. $\chi$を誘導している指標で原始的なものの導手を $\chi$の導手ということもある。

ディリクレ指標の定義2-1

ディリクレ指標の定義自体も、まわりくどい言い方をせずにもっとシンプルな表現で定義する方法もあります。いっていることは同じ。

準同型写像$\chi : \mathbb{Z}/N\mathbb{Z} \rightarrow \mathbb{C}^{\times}$のことを$\mod N$のディリクレ指標という。

原始的ディリクレ指標の定義2-2

  1. $\mod N$のディリクレ指標$\chi$に対し、次の図式を可換にする$\mod n$のディリクレ指標 $\tilde{\chi}$が存在する最小の$n \mid N$を $\chi$の導手という。
  2. $\mod N$のディリクレ指標 $\chi$が原始的であるとは、$\chi$の導手が$N$であることをいう。

こちらの記事もどうぞ。
ディリクレ指標の具体的計算---原始的(primitive)な指標を求めてみる

2016年11月13日日曜日

Violaの一日

今日はほぼ一日、音楽関係の予定をこなした一日でした。

まず、午後から個人レッスンがあったので、午前中から直前の悪足掻きの個人練をするつもりでしたが、起きれず。練習時間はとることはできましたが、大幅削減。

セビシックをやっており、オケの譜面でもあまり出てこないような、新しいボーイングを取り組んでいるのですが、難しい。

ゆっくりのテンポから、しかも「練習の練習」というか、目標の課題に至るまでの事前練習から順を追ってやっているのですが、事前練習すら既に難しい。

結局、ウォーミングアップ程度と感覚の確認程度の練習をしてレッスンへ。




レッスンは30分。今自分は行っているのはボーイングと音階だけ。

いつも先生からは「もう一つなかったっけ?」と聞かれるが、今はこれだけ。よくあるケースでは、それに加えてエチュードもやる人が多いようだが、課題を絞って厳密に取り組むのもそれはそれでいいのではないかとのこと。

しかしいざ始めてみると、ボーイングがやはり難所で30分のうち25分ぐらい使ってしまう。
それでも、やっと、という感じ。

一方で音階はほぼ完成しているので、残り5分程度でチェックのみ。外しがちな音だけいくつかチェック。




レッスン後は、12月にエキストラでのるオケの練習へ。



チャイコフスキー交響曲第5番、今日の練習は2楽章、3楽章。

学生時代に所属していたオケのOBとして参加。練習場所やいろんな用語が懐かしい。

チャイコフスキー5番も学生時代に一度やったことがあるが、技術力があがった今みるとまた違った風景が見えてくる。




日々の進歩は微々たるものなので、停滞しているような気もしてしまうが、ふと振り返ると、実は成長しているなと感じて、安心し、自信がつき、そしてさらなる邁進にモチベーションがあがる。


2016年11月7日月曜日

水菜としめじの和風サラダ

今日も料理をつくってみました!

水菜としめじの和風サラダ。


味の調整についてまだまだ改良の余地はありますが、美味しかったです。
水菜の歯ごたえが心地いい。


2016年11月2日水曜日

50周年記念演奏会を終えて

つい先日10月30日に、高校の管弦楽団の50周年記念演奏会が終わりました。

なんと来場は家族や招待客などなど含めてではありますが1000人を超えたとのことです。

で、当日ホールにいた方々の中には、観客側にも演奏者側にもいたようです。

演奏者側でいえば、プロオケで活躍していらしたもしくは現在も活躍中の方が乗っておられました。(個人名は伏せます)

一方で観客側には、僕も又聞きではあるのですが、校歌の作詞をされた方ですとか、富士高校の前身である、第五高等女学校の卒業生の方などもいらしていたそうです。

特に校歌では泣いている方もいらしたとか。

そんな素晴らしい演奏会に演者として参加できたのは非常に光栄です。

もっといろいろな方の感想などは僕のFacebookからいろいろ探索したほうが、いろんなものが出てくると思います。


レセプション後の全体写真



もう二日経ち、今日は仕事もいったり日常が戻りつつありますが、熱が冷めないうちに、感じたことを書いておこうと思います。


苦手意識

まずは割と軽めの話題から。
僕は大学の時にデュカスの『魔法使いの弟子』をやって以来、8分の6拍子とかで、三つ区切りの音型が続いてところどころボーイングがアップアップが入るパターンが苦手でした。
そのアップアップ自体は割と良くある音型・ボーイングだと思いますが、早いテンポで一連のパッセージのなかで出てくるのがすごい苦手。

ボーイングそのものもそうですが、パッセージ全体としてみたときに、アップアップがどこにくるのかという、法則性のようなものが未だにわかりません。
ボーイングの都合上(どこかをダウンで弾きたいのでとか)少なくともどこかでアップアップを入れる必要があるだろうというのはなんとなくわかるのですが、じゃどこに入れるの?といったことが感覚的にわからない。

だから、いつも最終的に決まったボーイングを腕に刷り込んで対処しているという次第。
本当はあまり理解しないまま、行き当たりばったりで覚えるのはあまりよろしくはないのだとは思いますが。

幻想交響曲も5楽章がまさにそういうパッセージだらけ。

今回この幻想をやったからといってすぐに解決するわけではありませんが、しっかりさらって、本番では意識せず体が反応して演奏そのものに集中できたので、少し自信がつきました。

いつか絶対『魔法使いの弟子』はリベンジしたい。

ゲネプロ

意識した言葉

今回は節目の演奏会ということもあり、また数年ぶり楽器を再開して一回目の演奏会、むしろこの演奏会のために楽器を再開したという逆転の動機も半分ぐらいあり、思い入れがありました。
久しぶりに楽器を始めるにあたり、テクニカルな部分を思い出すのももちろんですが、心構え的なことも、思い出しながら日々練習してきました。

特に日々頭の中を駆け巡っていたのは、『心は熱く、頭は冷静に』『ゆっくりで弾けないものは速く弾けない、ゆっくり弾ければ速く弾ける。。。かもしれない』『速く正確に弾く訓練(音程もリズムも)』『暗譜してないのは弾けたうちに入らない』『本番で楽しむために苦しむ』

もうなんだかんだ楽器を初めて10年近くなり、本番も何度も経験し、音楽的なこと以外でも成長はしているので、頭は冷静にという部分は、自分なりにコントロールできていたのかなという気がします。

それがベースにあり、難しいパッセージも闇雲に練習するのではなく、テンポが速くなった場合でも対応できる現実的なフィンガリングを考えたりとか、なぜこのパッセージは難しいのかを分析してそれをどう対処すればいいか考えたり、スコアを読んでアンサンブルを理解したり、時にはひたすらメトロノームで少しずつテンポをあげていくといったような地味な練習もこなしたりしました。

本番で楽しむためには地味なことも必要。楽なことだけやっていても上達はしない。

すべてがすべて完全にできたわけでは、ないけれど前進はしているな、したなという実感があります。
魔笛のゲネプロ。自分はおり番で待機中。


自分のアイデンティティ

もともとはそんなに深く考えて、この演奏会へ参加表明したわけではありませんでした。
2年ブランクが開いていたので、これ以上ブランクが開くとさすがにやばいかな、そろそろ再開しようかなと思っていたところに、たまたま今回の演奏会の参加募集を見つけたので、景気付けにと思って参加表明しました。

本番に向けて半年ほど練習を重ねていく中、その期間音楽以外のことでもいろいろありました。

8月には29歳の誕生日を迎え、30歳まであと一年ということになってしまい、普段とは少し気持ちが違う誕生日を迎えました。
もうすぐ、20代の10年が終わってしまう、このままでいいのだろうか。そもそもこの10年何をしてきたのだろうか、そもそも「私」は何者なのか。
30歳まで一年を切った焦りも少しあり転職活動なども始めたことなどもきっかけで、考えるようになりました。
そんなことを考える過程で、必然的に音楽(ビオラ)は私にとってどういう位置付けなのかといったことにも考えが及びました。

もっと本番が近づいてくると、演奏会の告知などもし始めます。というより僕が楽器を始めたことも含め報告をすることもありましたし、ここ数年で出会った人については楽器をやっていること自体知らない人もいるので、そういうこともお知らせしました。

特に、僕がビオラを弾くことを知らない人に告知する際は、「なんの楽器をやっているのか」と聞かれます。そのときにビオラをやってますとお伝えするわけです。
そのとき、「ビオラ」以外の楽器を伝えることのイメージが湧かないのです。(バイオリンやチェロを弾けるわけではないので当たり前ですがそういう浅い話ではないような気がします)

ふとそう感じたときに、10年間ビオラとしての役割を果たしたりや立ち回りをしてきたので、そういう精神的な部分まで、ビオラという存在が根付いているのかなと思いました。

そして、改めてビオラをこれからも続けていきたい、またコミュニケーションが苦手な自分としては、第二、第三のコミュニケーションツールなんだからこれを手放さないようにしようと思いました。


自分の力

今までは演奏者側の表側の話。

今回、裏方の方も大変でした。

常設のオケではないので、このために集まった人たちの中で、そのなかで随時役割を分担し、担当外の人でもフォローしあい、係についていない人でも、意見を表明するという形で協力していました。

そのメンバーでこんなにも大きなイベントを行いました。

中心で活動していた人たちは本当大変だろうと思いました。ありがとうございます。

そして自分は何をできただろうかと思う。

仕事なんて探せばいくらでもあったと思う、探そうとしただろうか。

失敗を恐れて動き出そうとしなかったか?そもそも自分は、何で貢献できただろうか。自分の能力はあるのだろうか。

裏方の仕事など、目立ちはしないけど重要な仕事に関する部分では、自分はあまり成長していなかったのかなと、情けなく思ってくる。

裏方作業の方でも、もっと貢献して、運営を回していけるようになる、そういうのが生きるためのスキルなんだろうか。

そういう意味で、周りの人に助けられてばかり。周りの人に喜んでもらえるように、「与えられる人間」になりたいなと思いました。


レセプションは都庁の展望台貸切


こんなに大人数が一同に会する演奏会。
50年の歴史のうち、一桁の代の方々のご挨拶


2016年10月26日水曜日

小松菜とひき肉のオイマヨ炒め

今日はたまには料理してみました。

小松菜とひき肉のオイマヨ炒め。



本当、ほぼ炒めるだけって感じで簡単。
しかもこれはやみつきになるわ。
ごはんが進む進む。


レシピはクックパッドを参考にしました。
【やみつき】小松菜とひき肉のオイマヨ炒め by はまずみゆきこ [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが251万品


2016年10月6日木曜日

癌に気づかされるクオリア

「痛いの?それとも気持ち悪い感じなの?」

「うぅ、、、りょ、両方、、、」



母の癌が悪化した。今までは家の中ぐらいであればなんとか一人であるけて、一人で用もたせるぐらいは元気があったのだが、それも難しくなり入院となった。

貧血ですぐ倒れてしまう状態にもなっており、入院してからもさらに悪い方向へ進行したようにも思える。

こんなことは考えたくはないが、状態を実際近くでみていても、医者などからの見解などからしても、命の終わりが迫っているのを感じる。

家族、といっても、普段家にいるのは父だけだが、父含め親戚なども、「やばい」というような言葉などで表現はしたり、現実問題として母が安らかに死を迎えられるように環境を整えてあげることは必要なので、それに向けての準備なども進めてはいたのだが、「死」という言葉だけは意図的に避けているように感じる。

自分の身近な人がこういう状態になったのは始めてだから、「死」を薄々感じていても、それを言葉に出さないのが、そういう状況に置かれた場合の普通なのかはわからない。

遠方から祖父や祖母も見舞いに来たりもした。

彼らが帰ったあと、病室に数名が残ったが、そのときに「痛いのか、気持ち悪いのか」聞いてみたら、「両方」と返事が返ってきた。

そばでみていても、辛そうなのは痛いほど伝わってくる。

しかし、それが「どんな感じ」なのかというのは、想像ができなかった。




そんな光景を目の前にしているのにも関わらず、あるいはそんな光景を目の当たりにしたからなのか、どちらが適切な表現なのかわからないが、このとき巷で一時期話題になった「クオリア」の意味が少しわかったような気がした。




クオリアの説明自体は検索すれば、いろいろな説明が出てくるので詳細は省略するが、「あの青い感じ」、「頭がズキズキするあの感じ」などの「感じ」のことのようだ。

「感じ」という説明、定義が曖昧というか抽象的な感じがしてわかったようなわからないような感じを抱いていた。

非常に大雑把な説明であれば、色にしろ、痛みにしろ、外から入った刺激が神経を通り脳まで伝わり、脳内の電気信号を色や痛みととして感じるわけだ。

感覚を生み出す刺激の説明としては、電気信号の説明で済んでしまう。

しかし、「感じ」とはどれのことを指しているのか。

確かに、普段生きていて、いろいろな刺激に対して、いろいろ思うこと、考えること、感じることはある。

しかし、自分自身を一歩ひいて外からみることを考えたとき、「感じ」とは一体どれのことを指しているのか。

痛みと気持ち悪さ両方あるという返事を聞いて、その辛さを実際に自分で経験することができないもどかしさとともに、「あぁ、なるほど、これが『感じ』ということか」とわかったような気がする。

少し話の流れからは逸れるかもしれないが、違う種類のクオリア同士で比較してみるのも、理解が深まるのかなと思ったりもした。

例えば、「青い感じ」と「ズキズキする痛み」は、明らかに感じは違うと思う。

刺激が伝達される仕組みが違うんだから当たり前と言ってしまえばそれまでだが。



深く心に残る出来事はいろいろなことを考えさせる。

そして、考えること自体に必然性はないのに、なぜ考えるのか。

そのこと自体についても、また考えてしまう自分。



参考にしたページや文献・書籍
クオリア - Wikipedia

2016年9月22日木曜日

オーケストラの合宿

先日の連休のことになりますが、10月末に本番を控えるオケの合宿に行ってきました。とはいっても一泊ですが。

高校のオーケストラ部が50周年を迎えるので、その記念として今回限りのオーケストラです。

50周年という節目のタイミングで、自分も楽器の練習の再開を決断し、このオケに乗れたのは感慨深いです。

普段よりもがっつり練習できました。



夜はお決まりの(?)宴会。お酒の量がやばいです。写真には写っていませんが、右手前にはさらにビールサーバーがあります。
一応、宴会係の方がお酒の用意はしてくれてはいたのですが、それ以外に各々が差し入れをもってきた結果です。すごいな。下手なお店よりバリエーションがあるのでは。

夜はお決まりの(?)宴会。お酒の量がやばい。


これは通し二日目の通し練習の前の風景。


今年始めに楽器の練習を再開して、それでこんな大曲に乗ることになり大丈夫かなとは思いましたが、あんまり大丈夫ではなかったですが、それでも想像していたよりは弾けてます。

当たり前かもしれないけど、オケの練習などを始める前に、きちんと基礎練をしっかりやり直したからかな。

それと、多分、過去いろいろな先生方から言われてきたことを今になって噛み締めながら、練習しているからだとも思う。

特に「ゆっくり弾けないものは早く弾けない」という名言?と、「速く正確に弾けるようにする」という二つ。

急がば回れではないけれど、変に焦って無意味な練習をしなくなったことは大きいと思う。
練習した分だけ先へ進んでいる実感がある。

二年ブランクはあいたわけだけど、練習し感覚を取り戻しながら、今まで積み上げてきたものは、(良くも悪くも?)体に染み込んでいるなというのを感じながら充実感を感じております。



それに、50周年を機にオケに乗ることになり、本当にいろいろな人と関わることになったのですが、そうすると、自然にその他のお誘いなども受けるようになり、情報が寄ってくるようになりました。


「自分から情報を取りにいく」というのも重要だけど、いっそのこと「自分が属していたい業界に身ごと飛び込む」というか、コミュニティに入ってしまうのは割りと重要かなと実感もしたりしました。

直接そのコミュニティの人といろいろ会話をすれば、縁という形で情報がきて、それが次の縁に結びつくからね。


なんかいろいろ他にも書きたいことはあったはずだけど、10月30日の本番後にも同じようなことをまた書くと思うので、今回はとりあえずこれぐらいで。


で、しっかり最後には宣伝もしておきます。




2016年9月5日月曜日

数年ぶりのレッスン

先日のことにはなってしまいますが、ビオラのレッスンを再開しました。

今年に入り、ビオラの練習をまた始め、高校のOBオケとか大学オケのエキストラとかの予定を入れ、交響曲の譜面をさらっているのですが、やっぱり基礎力ももっと鍛えたいなーと欲張りだし、レッスンを再開しました。

札幌へ行く前までレッスンを受けていたときと同じ先生の元へ。

どこまで進んでいたのかわかってもらってるし、自分のレベルもだいたいわかってもらっているのでね。

しばらくは基礎力を徹底的に鍛えたいので、音階とボーイングをやることにしました。

ボーイングはセブシックをやります。

セブシック、いろんなパターンのボーイングが紹介されてて、7年やっているのにページ数でいったらあんまり進んでない。ありすぎだろ。。。

で今はスタッカート系の音型をやっています。次回の音型がこれ。163番。





八分でならまずまずいけるんだけど、三連符になった瞬間うまく音を区切れない。。。
この音型苦手。。。
まあオーケストラの譜面ではあまりでない音型だけど、網羅しておきたいのできちんとやろう。


音階の方は2オクターブの音階。二周目。

過去に全部の調性を一通りやってはいましたが、中には難しいやつもあり、心配なやつがあったので、簡単なやつは飛ばして、シャープとかフラットがたくさんあったりして難しいやつだけを復習。

今回はCis mollをやりました。

一回目にやったときは、ただの音階とはいえ、音を追うのに一杯一杯でしたが、二回目ともなると、ある程度体に染み込んでいるからか、余裕をもって冷静に弾けるようになっていました。

正しい音の場所に指が自然と反応するというか、多少ずれたとしても正しい音程に修正できたり、全体的な精度が格段に増しておりました。


基礎練をしっかりやると、実際オーケストラのあの難しい譜面でも少し弾けるようになっていて、着実に前進している感じがするので、地味だけど意外に好きです。

修行している感じというか、なんというか。

2016年7月22日金曜日

Graphviz/PyGraphvizのインストール

前々から使ってみたいとは思っていました。

調べてみたら以外にインストールのハードル自体は低そうなので、サクっと入れてみました。
brewとpip3を用いてインストールできるようです。
brewについてはbrew searchを実行してたくさん吐き出されるリストの中にgraphvizが確かにあることを自分で確認してみましょう。

環境は以下の通り。

  • El'Captan(10.11.5)
  • Homebrewはインストール済み

Graphvizのインストール

hiroshi-no-MacBook-Air:~ hiroshi$ sudo brew install graphvi

と実行するだけです。例のごとく自分のPCのパスワードを求められるので、パスワードを入力すれば、次のような処理がはしります。それほど長くない処理。
==> Downloading https://homebrew.bintray.com/bottles/graphviz-2.38.0.el_capitan.bottle.1.tar.gz
######################################################################## 100.0%
==> Pouring graphviz-2.38.0.el_capitan.bottle.1.tar.gz
🍺  /usr/local/Cellar/graphviz/2.38.0: 469 files, 67M

Graphvizのインストール自体はこれだけ。
PyGraphvizのインストール、と先へ進む前に、Graphvizのインストールがきちんとできているか確認します。

テキストファイルに次のように記述して、Sample.dotというように拡張子をdotにして保存します。

#####以下のように記述し、dotという拡張子で保存
graph g{
    "Hello World"
    }

でSample.dotという、今保存したファイルが保存してあるディレクトリへカレントディレクトリを移し、そこで次のようなコマンドを実行します。

######Sample.svgというファイルで出力する場合
hiroshi-no-MacBook-Air:Pro-tr hiroshi$ dot -Tsvg Sample.dot -o Sample.svg

そうするとSample.dotが保存されているディレクトリと同じディレクトリにSample.svgとファイルが生成されます。
それをブラウザで開けば、次のようなものが表示されます。

注意)紛らわしいけど、上に貼り付けてある画像はSVGファイルをブラウザで開いたものをスクリーンショットで撮影したpng画像です!BloggerだとSVGファイルは挿入できないらしい。



PyGraphvizのインストール

pip3を入れているので、以下のようにコマンドを打つだけで完了です。
hiroshi-no-MacBook-Air:Pro-tr hiroshi$ sudo pip3 install pygraphviz

例のごとく自分のPCのパスワードを入れると次のような処理が進み(すぐ終わります)、完了です。

The directory '/Users/hiroshi/Library/Caches/pip/http' or its parent directory is not owned by the current user and the cache has been disabled. Please check the permissions and owner of that directory. If executing pip with sudo, you may want sudo's -H flag.
You are using pip version 7.1.0, however version 8.1.2 is available.
You should consider upgrading via the 'pip install --upgrade pip' command.
The directory '/Users/hiroshi/Library/Caches/pip/http' or its parent directory is not owned by the current user and the cache has been disabled. Please check the permissions and owner of that directory. If executing pip with sudo, you may want sudo's -H flag.
Collecting pygraphviz
  Downloading pygraphviz-1.3.1.zip (123kB)
    100% |████████████████████████████████| 126kB 2.0MB/s 
Building wheels for collected packages: pygraphviz
  Running setup.py bdist_wheel for pygraphviz
  Stored in directory: /Users/hiroshi/Library/Caches/pip/wheels/81/03/ed/eb3b7ef51ee6527abfaf2701e222e74107b97344cfa2201881
Successfully built pygraphviz
Installing collected packages: pygraphviz
Successfully installed pygraphviz-1.3.1

確認作業は、

hiroshi-no-MacBook-Air:Pro-tr hiroshi$ python3    #python3と打ってrerurnを押す。
Python 3.4.3 (default, Aug 11 2015, 08:57:25) 
[GCC 4.2.1 Compatible Apple LLVM 6.1.0 (clang-602.0.53)] on darwin
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>> import pygraphviz       #import pygraphvizと打ってreturn
>>> 

としてエラーがでなければOK。

2016年7月10日日曜日

シグモイド関数の描画

gnuplotもインストールしたし、matplotlibも使える状態だしということで、なんだかんだ可視化やグラフ描画をするツールは割りと揃ってきた。。

それぞれ、ツールの使い方の勉強という意味含め、ニューラルネットなどででてくるのシグモイド関数の振る舞いをイメージしておきたいなども理由もあるので、シグモイド関数を描画してみようと思い描画してみた。。

gnuplotでの描画

gnuplotでもfor文が使えるらしいのでそれを使う。

ターミナルを起動して、gnuplotを起動する。
hiroshi-no-MacBook-Air:Pro-tr hiroshi$ gnuplot     #gnuplotと打ち込んでreturnを押す
起動したら次のように打ちます。
gnuplot> set yrange[0:1]       #見栄えを良くするための設定。y軸方向の描画範囲の指定。
gnuplot> plot for [i=0:10] 1/(1+exp(-i*x/10))
これを実行すると、次のような図が表示される。




gnuplotを起動したときに、毎回表示されるバージョンを確認しよう。
どうやら、plot forという書き方はバージョン4.4からの機能のようだ。
(参考:明日できること)

matplotlibでの描画

matplotlibでは次のように描画する。

matplotlibとscipyがインストールできていることは前提。 インストールできていない場合はまずこちらから。
Macでpython3の環境構築9---Scipyのインストール---
Macでpython3の環境構築4---Matplotlibのインストール1---
from matplotlib import pyplot as plt
import scipy as sp

x=sp.arange(-10,10,0.1)
for t in range(10):        #必要なグラフは先にすべて生成する。
  y=1/(1+sp.exp(-(2*t*x/10)))
  plt.plot(x,y)         


plt.show()   #最後にまとめて描画すると重ねて表示される。
matplotlibの使い方の説明にもなってしまうが、グラフを重ねて描画するときは、先にplt.plot()、plt.plot()という感じで必要なグラフをすべて生成して、最後にplt.show()をして最後に描画する。

上記を例えば、テキストファイルに書き、sigmoid.pyという名前で保存。sigmoid.pyがあるカレントディレクトリに移動して、
hiroshi-no-MacBook-Air:Pro-tr hiroshi$ python3 sigmoid.py
とコマンドを打って実行すると、次のような画面が出てくる。



for文のところで、あまり数を刻みすぎてしまうと、グラフが表示されたときよくわからない表示になってしまうので、適当に間引いて描画したほうがそれらしくみえる。

参考にしたページや文献・書籍
明日できること
シグモイド関数---wiki

2016年6月22日水曜日

gnuplotのインストール

ここ最近いろいろなものをインストールしております。

前回はTeXをインストールしましたが、gnuplotもインストールしました。

これについてもインストール方法を残しておこうと思います。


Aquatermのインストール

やや天下り的な感じになってしまいますが、gnuplotだけインストールしても出力をする先がないので、描画ソフトもインストールする必要があります。
調べた感じでは、ここで書くAquatermと次で書くX11が代表的なもののようなので、それをインストールします。

Aquatermのインストールについてはまずダウンロードのサイトへアクセスします。

ダウンロードしたファイルを実行すると、インストールの画面が立ち上がります。

右下の「続ける」ボタンを押して次へ行きます。そのあとも画面の指示通りに進んで行きます。

続けるを押すと同意するかどうかを聞かれますので、同意をして先へ進みます。


「インストール」ボタンを押すと、いろいろ処理が始まり、最終的には次の画面になります。
Finderのアプリケーションのディレクトリをみると、確かにAquatermがインストールされています。


X11(Xquarz)のインストール

いろいろ調べてみると、現在はX11はXquarzは統合されているようです。
これもインストール方法は、ほとんどAquatermを同じです。

まずはダウンロードサイトへアクセスします。

ファイルをダウンロードして実行すると、インストール画面が立ち上がりますので、それに従って進んでいくだけです。







インストール完了の画面のスクリーンショットと撮り忘れましたが、最後にインストール完了の画面が表示されます。

でFinder中のアプリケーションの中のユーティリティの中をみるとXQuarzがインストールされています。

gnuplotのインストール

ここまでやってしまえば、あとはすぐです。 ターミナルを起動して次のようにコマンドを打ちます。
hiroshi-no-MacBook-Air:~ hiroshi$ sudo brew install gnuplot --with-aquaterm

そうすると、次のような処理が始まります。

==> Installing dependencies for gnuplot: pkg-config, libpng, freetype, fo
==> Installing gnuplot dependency: pkg-config
==> Downloading https://homebrew.bintray.com/bottles/pkg-config-0.29.el_capitan.
######################################################################## 100.0%
==> Pouring pkg-config-0.29.el_capitan.bottle.tar.gz
🍺  /usr/local/Cellar/pkg-config/0.29: 10 files, 624.4K
==> Installing gnuplot dependency: libpng
==> Downloading https://homebrew.bintray.com/bottles/libpng-1.6.21.el_capitan.bo
######################################################################## 100.0%
==> Pouring libpng-1.6.21.el_capitan.bottle.tar.gz
🍺  /usr/local/Cellar/libpng/1.6.21: 17 files, 1.2M
==> Installing gnuplot dependency: freetype
==> Downloading https://homebrew.bintray.com/bottles/freetype-2.6.3.el_capitan.b
######################################################################## 100.0%
==> Pouring freetype-2.6.3.el_capitan.bottle.tar.gz
Error: The `brew link` step did not complete successfully
The formula built, but is not symlinked into /usr/local
Could not symlink bin/freetype-config
Target /usr/local/bin/freetype-config
already exists. You may want to remove it:
  rm '/usr/local/bin/freetype-config'

To force the link and overwrite all conflicting files:
  brew link --overwrite freetype

To list all files that would be deleted:
  brew link --overwrite --dry-run freetype

Possible conflicting files are:
/usr/local/bin/freetype-config
/usr/local/include/freetype2/ft2build.h
/usr/local/share/aclocal/freetype2.m4
/usr/local/share/man/man1/freetype-config.1
/usr/local/lib/libfreetype.dylib -> /usr/local/lib/libfreetype.6.dylib
==> Summary
🍺  /usr/local/Cellar/freetype/2.6.3: 60 files, 2.5M
==> Installing gnuplot dependency: fontconfig
==> Downloading https://homebrew.bintray.com/bottles/fontconfig-2.11.1_2.el_capi
######################################################################## 100.0%
==> Pouring fontconfig-2.11.1_2.el_capitan.bottle.tar.gz
==> /usr/local/Cellar/fontconfig/2.11.1_2/bin/fc-cache -frv
Last 15 lines from /Users/hiroshi/Library/Logs/Homebrew/fontconfig/01.fc-cache:
2016-05-29 23:47:46 +0900

/usr/local/Cellar/fontconfig/2.11.1_2/bin/fc-cache
-frv

dyld: Library not loaded: /usr/local/opt/freetype/lib/libfreetype.6.dylib
  Referenced from: /usr/local/Cellar/fontconfig/2.11.1_2/bin/fc-cache
  Reason: image not found
Warning: The post-install step did not complete successfully
You can try again using `brew postinstall fontconfig`
==> Summary
🍺  /usr/local/Cellar/fontconfig/2.11.1_2: 449 files, 2.9M
==> Installing gnuplot dependency: libtiff
==> Downloading https://homebrew.bintray.com/bottles/libtiff-4.0.6.el_capitan.bottle.tar.gz
######################################################################## 100.0%
==> Pouring libtiff-4.0.6.el_capitan.bottle.tar.gz
🍺  /usr/local/Cellar/libtiff/4.0.6: 259 files, 3.4M
==> Installing gnuplot dependency: gd
==> Downloading https://homebrew.bintray.com/bottles/gd-2.1.1_2.el_capitan.bottle.tar.gz
######################################################################## 100.0%
==> Pouring gd-2.1.1_2.el_capitan.bottle.tar.gz
🍺  /usr/local/Cellar/gd/2.1.1_2: 34 files, 1M
==> Installing gnuplot dependency: lua
==> Downloading https://homebrew.bintray.com/bottles/lua-5.2.4_3.el_capitan.bottle.tar.gz
######################################################################## 100.0%
==> Pouring lua-5.2.4_3.el_capitan.bottle.tar.gz
==> Caveats
Please be aware due to the way Luarocks is designed any binaries installed
via Luarocks-5.2 AND 5.1 will overwrite each other in /usr/local/bin.

This is, for now, unavoidable. If this is troublesome for you, you can build
rocks with the `--tree=` command to a special, non-conflicting location and
then add that to your `$PATH`.
==> Summary
🍺  /usr/local/Cellar/lua/5.2.4_3: 82 files, 687.2K
==> Installing gnuplot
==> Downloading https://downloads.sourceforge.net/project/gnuplot/gnuplot/5.0.2/gnuplot-5.0.2.tar.gz
==> Downloading from http://tenet.dl.sourceforge.net/project/gnuplot/gnuplot/5.0.2/gnuplot-5.0.2.tar.gz
######################################################################## 100.0%
==> ./configure --disable-silent-rules --prefix=/usr/local/Cellar/gnuplot/5.0.2 --with-readline=/usr/local/opt/readline --with-
==> make
==> make install
==> Caveats
AquaTerm support will only be built into Gnuplot if the standard AquaTerm
package from SourceForge has already been installed onto your system.
If you subsequently remove AquaTerm, you will need to uninstall and then
reinstall Gnuplot.
==> Summary
🍺  /usr/local/Cellar/gnuplot/5.0.2: 44 files, 2.2M, built in 2 minutes 26 seconds
hiroshi-no-MacBook-Air:~ hiroshi$


これでインストールは完了です。

確認として、次のようになれば問題なしです。

hiroshi-no-MacBook-Air:~ hiroshi$ gnuplot

G N U P L O T
Version 5.0 patchlevel 2    last modified 2015-12-24

Copyright (C) 1986-1993, 1998, 2004, 2007-2015
Thomas Williams, Colin Kelley and many others

gnuplot home:     http://www.gnuplot.info
faq, bugs, etc:   type "help FAQ"
immediate help:   type "help"  (plot window: hit 'h')

Terminal type set to 'aqua'
gnuplot>

最後の行で、

gnuplot> plot sin(x)

と打てば、また別に画面が立ち上がり、


その他

このままでは、せっかくX11もインストールしたのに、出力先としてX11がつかえません。
本当はオプションを指定する際にX11も一緒に指定しなければならないようですが、間違ってAquatermだけ指定してしまいました。

改めてX11も指定する方法については、またの機会にします。。。

2016年6月19日日曜日

TeXのパッケージのインストール

前回は、最低限TeXが動くようにするところまでは行ったので、パッケージをインストールする方法について書きます。

とりあえず、bm.styを使えるようにすることを目標にします。

CTANからダウンロード

まずはCTANというTeXのパッケージなどをまとめているサイトへ行き、必要なファイルをインストールします。
検索Boxのところにキーワードを打ち込んで欲しいパッケージをまずは見つけます。今回は「bm」と打ちました。

検索をすると、このような画面になります。

「Package bm」のリンクをクリックします。


TDS archiveの行にある.zipファイルをクリックすればダウンロードされます。
それを解凍します。
今回の場合、解凍されてできるのは、latex-tools.tdsです。

styファイルの生成

styleファイル(拡張子が.styのファイル)は.insのファイルと.dtxのファイルから生成します。
今回の場合はbm.insとbm.dtxのファイルです。まずはこの二つのある場所を探します。
探してみると、latex-tools.tds→source→latex→toolsの中にあることがわかります。

カレントディレクトリをtoolsに移動します。(絶対パスで移動するなり、相対パスで地道に移動するなりして)

そこで、
hiroshi-no-MacBook-Air:tools hiroshi$ sudo latex bm.ins

とコマンドを打ちます。例によってパスワードを求められるので自分のPCのパスワードを入力します。
そうすると、以下のような処理が始まり、bm.styが生成されます。あとbm.logもできます。
This is pdfTeX, Version 3.14159265-2.6-1.40.16 (TeX Live 2015) (preloaded format=latex)
 restricted \write18 enabled.
entering extended mode
(./bm.ins
LaTeX2e <2015>
Babel <3 .9l=""> and hyphenation patterns for 79 languages loaded.
(/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/tex/latex/base/docstrip.tex
Utility: `docstrip' 2.5e <2014>
English documentation    <2014>

**********************************************************
* This program converts documented macro-files into fast *
* loadable files by stripping off (nearly) all comments! *
**********************************************************

********************************************************
* No Configuration file found, using default settings. *
********************************************************

)

Generating file(s) ./bm.sty 

Processing file bm.dtx (package) -> bm.sty
Lines  processed: 1679
Comments removed: 1262
Comments  passed: 5
Codelines passed: 403

 )
No pages of output.
Transcript written on bm.log.



もし、
sudo: latex: command not found

とかいうエラーがでたらそれはPATHが通っていません。

hiroshi-no-MacBook-Air:tools hiroshi$ PATH=/Library/TeX/texbin:$PATH

として「Library/Tex/texbin」にPATHを通してから再度実行しましょう。

生成したファイル類をまとめる。

生成に要した.insと.dtxと、生成された.styと.logを別フォルダにまとめます。

「/usr/local/texlive/texmf-local/tex/latex/local」の中に、新しいフォルダを作成します。
今回は「bm」という名前のフォルダにしておきます。
その中に、上記4つのファイルを移動させれば完了です。

これでbmというパッケージが使用できるようになります。
参考にしたページや文献・書籍
パッケージについて
CTAN

El'CapitanにMacTeXのインストール

最近、TeXで資料を作らなければならない状況があったため、TeX環境を入れました。

まあ過去にwindowsとかに入れたこともあったりするのですが、Macに入れる手順も自分の忘備録として残しておきたいと思います。

前提としている環境は以下の状況です。

Homebrew Caskのインストール

まずHomebrewの拡張であるHomebrewcaskをインストールします。
ターミナルを開き以下のようにコマンドを実行します。
hiroshi-no-MacBook-Air:~ hiroshi$ sudo brew tap caskroom/cask

sudoで実行しているので、パスワードを求められます。自分のパソコンにログインするときのパスワードを入力すると、以下のように処理が始まります。
==> Tapping caskroom/cask
Cloning into '/usr/local/Library/Taps/caskroom/homebrew-cask'...
remote: Counting objects: 3710, done.
remote: Compressing objects: 100% (3655/3655), done.
remote: Total 3710 (delta 63), reused 865 (delta 34), pack-reused 0
Receiving objects: 100% (3710/3710), 6.48 MiB | 880.00 KiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (63/63), done.
Checking connectivity... done.
Tapped 1 formula (3,675 files, 15.2M)
hiroshi-no-MacBook-Air:~ hiroshi$

処理はすぐ終わるので、終わったらさらに次のようにコマンドを打ちます。

hiroshi-no-MacBook-Air:~ hiroshi$ sudo brew install caskroom/cask/brew-cask

そうすうと以下のようになります。

==> Installing brew-cask from caskroom/cask
==> Cloning https://github.com/caskroom/homebrew-cask.git
Cloning into '/Library/Caches/Homebrew/brew-cask--git'...
remote: Counting objects: 3408, done.
remote: Compressing objects: 100% (3369/3369), done.
remote: Total 3408 (delta 56), reused 528 (delta 18), pack-reused 0
Receiving objects: 100% (3408/3408), 5.88 MiB | 4.06 MiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (56/56), done.
Checking connectivity... done.
Note: checking out 'b4c92f3658d47712aa6114fb29be50a763cf78ee'.

You are in 'detached HEAD' state. You can look around, make experimental
changes and commit them, and you can discard any commits you make in this
state without impacting any branches by performing another checkout.

If you want to create a new branch to retain commits you create, you may
do so (now or later) by using -b with the checkout command again. Example:

  git checkout -b 

==> Checking out tag v0.60.1
==> Caveats
You must uninstall this formula. It is no longer needed to stay up to date,
as Homebrew now takes care of that automatically.
==> Summary
🍺  /usr/local/Cellar/brew-cask/0.60.1: 4 files, 7.6K, built in 11 seconds
hiroshi-no-MacBook-Air:~ hiroshi$

MacTeXのインストール

いまインストールしたHomebrewCaskを使ってMacTeXをインストールします。
同様にターミナルで次のように打ちます。
hiroshi-no-MacBook-Air:~ hiroshi$ sudo brew cask install mactex

つぎのような処理が始まります。

==> We need to make Caskroom for the first time at /opt/homebrew-cask/Caskroom
==> We'll set permissions properly so we won't need sudo in the future
==> Downloading http://tug.org/cgi-bin/mactex-download/MacTeX.pkg
######################################################################## 100.0%
==> Verifying checksum for Cask mactex
==> Running installer for mactex; your password may be necessary.
==> Package installers may write to any location; options such as --appdir are ignored.
==> installer: Package name is MacTeX-2015
==> installer: Installing at base path /
==> installer: The install was successful.
🍺  mactex staged at '/opt/homebrew-cask/Caskroom/mactex/20150613' (2.5G)
hiroshi-no-MacBook-Air:~ hiroshi$

特に問題なく完了すれば、Finderのアプリケーションディレクトリの中にTeXのフォルダができています。


で、そのTeXフォルダの中にはこんなものが入ってます。


TeXShopがいわゆる統合開発環境です。

PATHを通す

しかし、このままではまだTeXは動きません。

試しにTeXshopを起動し、こんな感じで打ってみます。

これで左上に表示されている「タイプセット」のボタンを押せばpdfファイルが出力されるはずなのですが、こんなエラーが表示されてしまいます。




どうやらいろいろ調べてみると、El'CapitanからPATHを通す場所が違うようです。

画面左上から「TeXShop→環境設定→内部設定」と進み、パス設定の中の「(pdf)TeX」を編集します。

デフォルトは、「/usr/texbin」になっているようですが、これを消して、「/Library/TeX/texbin」と入力します。

それで「OK」を押します。

それでもう一度「タイプセット」を押すと、無事pdfファイルが出力されます。されるはずです。されなかったらごめんなさい。

ちなみに、ターミナルのほうで直接PATHは通す必要はないようです。
シェルのコマンドでPATHからTeXに関するコマンドを削除しても、少なくとも上記環境設定でPATHが通っていれば大丈夫なようです。


最低限の記述はこれでできるようになりましたが、パッケージなどはまだ使えません。

パッケージのインストール方法は、これはこれでまた若干手順があるので、またの機会にします。