2018年12月23日日曜日

『図解・ベイズ統計「超」入門』



漠然と「確率・統計」とはいっても幅広く、回帰とか検定とか多変量解析とかいろいろあるんだろうが、そっち方面がいまだにいまいちわからず、しかも最近流行りのベイズもわからずということで、開き直っていっそのこといきなりベイズやってみようということで読み始めた本です。


正直この手の入門書はあまり信用していなかったのだけど、あなどれなかったです。。。

僕が参考になったのは、

  • ベイズの定理の使い方
  • 改めて言われてみると、ベイズの定理の使い方もパターンが限られているよな、と再認識。型にはめるため、それに向けていろいろ計算していく。
  • 理由不十分の原則
  • 高校受験の参考書とかで、このキーワードを表に出さず、さらっと「箱を選ぶ確率が等確率」とか前提にされていたことがあるけど、やっぱりそうだよね。
  • ベイズ更新
  • これも計算イメージが湧く。
のあたりです。

全体的に数式らしきものは少ないけど、計算の手順含めて書いてあるので、定理の運用がイメージがつきやすいと思いました。

2018年12月22日土曜日

『モラルの起源 --- 実験社会学からの問い---』





自分が興味あるキーワードの一つが「起源」なので、手にとってみた。

自分の読解力が足らないのか、タイトルと内容が若干ずれがあるようにも感じたが、それでも内容は面白かった。

この本の冒頭にも書かれているように、昨今の文系学問軽視の風潮に異議を唱え、実験社会学という立場から、文系学問も

これらの作業を通じて、人文社会系の学問が私たちの生きている現代社会の要請に対して実際に「役に立つ」こと、個々の問題に対してマニュアル的な「答え」を与えるのではなく、より原理的レベルでの「解」を与える可能性をもっている


ことを少しでも示そうということが、上梓された目的だそうだ。


で内容は、「適応」という視点を軸に

  • 集団行動の仕方の分析(他の生物との比較など)
  • 協力行動の分析
  • 共感
  • (有限資源の)分配問題

が語られており、様々な研究者の実験の引用をしながら論が進んでいく。

個人的には、いろんな実験が紹介されていて面白かった。もちろん、巻末には参考文献も紹介されている。

また時間があるときに、再読してみよう。

2018年12月15日土曜日

『対人距離がわからない -- どうしてあの人はうまくいくのか--』




人間の性格の傾向を、いくつかのパターンに分けた上で、演技性傾向がある人や、反社会性傾向がある人などにヒントを求めて、幸福感を得るためにはどうすればいいかを考察している本。

人格の傾向について、小説の登場人物や実在した人物などを引き合いに出して具体的に説明していたのはわかりやすかった。

ただ、個人的には少し物足りない本だったかなと。ただの事例紹介とそれプラス少し表面的な考察で終わってしまっていた感じがするので、もう一歩踏み込んでほしかった気もする。

2018年12月6日木曜日

『佐藤勝の集中講義 民族問題』



世界史や日本史で「〜民族」などがよく出てきますが、正直定義がわからなかったので、というより、そもそも定義があるのかどうかすらあまり理解していなかったので読んでみました。

特に佐藤優さんが著者ということもあり、信頼できる本だと思ったのも理由の一つです。



以下、僕の読解が間違ってなければ、という前提での感想になります。



結局「民族」とは何かについて、実は明確な定義というのがないんだということでそれはそれで腑に落ちました。
有力な理論があることはあるけど、定義があるわけではないとのこと。



「民族」に関する考察で、主にスターリンやベネディクト・アンダーソン、アーネスト・ゲルナーの理論を紹介し、具体例としてウクライナ問題や沖縄問題について適用しています。



佐藤優さんの本を以前にも読んだことありますが(なにか忘れたけど)、抽象論と具体例が結び付いていて、抽象論というのは具体例と共にあるんだなということを感じさせてくれるので、そういう意味でも頭でっかちになってはいけないなと、勉強になります。