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2016年11月30日水曜日

個展巡り

今日は(日付が変わってしまったので、厳密には昨日ですが)、個展を2件ハシゴしてきました。

最初は、林典子さんの「ヤズディーの祈り」を見に、銀座ニコンサロンへ行きました。



結構好きで見ているクレイジージャーニーという番組にゲスト出演してらっしゃって、そこで個展の紹介がされていたので、気になって見に行ってきました。

個展というものをみるのが、多分ほとんど初めてなので、他と比較した、イケている感想は言えないのですが、素直な感想を。


イスラム国に襲われ難民となってしまった人達の写真。

疎いことばかりで申し訳ないのですが、世界史とかを学ぶとき、教科書などでは「〜民族が〜民族を侵略した」とかいう感じで、せいぜい数ページ程度でさらっと書かれてしまうけど、当然ですが、現実には侵略する側とされる側がいるわけです。

ミクロな視点でみていけば、集団ではなく一人一人の人間が関与しているわけです。

それぞれの人には、当然それぞれの事情・背景があります。

そういう背景・事情を想像させるような写真たちでした。

林典子さんのブログに記載がありますが、「インパクトのある写真」を外したからそういう風にみえるのかもしれませんね。



見終わったあと、少し周囲をぶらついていたら、近辺には画廊が数箇所固まっていました。
このへんは画廊がたくさんあるなんて意外な発見。銀座くるときは大通り沿いをあるくことが多いので初めて知りました。


その中でも入りやすそうだった、シロタ画廊へ。展示している内容も版画ということで興味があったので。

この期間展示されていたのは吹田文明さんという方の作品。

これまた、自分は全く知らない方。中の紹介文などをみるとその業界では有名な人らしい。

版画とか小学校のときに少しやった程度で、全く疎い。。。

そんな素人でも、好きだなって思ったのが、『銀河を渡る』という作品と『美しき銀河を行く』という作品。

蝶々が星空を渡っていくような作品ですが、木目を利用している作品で、版画だからこそというか、木目の利用の仕方がうまい!と素人ながら思ってしまいました。



個展巡りとか初めてしたけど、なんか楽しい。

美術館とかよりも、その作者ともっと個人的に近づいている気になれるというか、自分だけしか知らない展示会をみにいっている感じとか。

完全に自己満だけど。

小さい画廊へ入るハードルが下がったので、今後も定期的にチェックしてみたいと思う。




というか本当は、今やっているクリスチャン・ボルタンスキーの『さざめく亡霊たち』を見に行きたかったけど、時間がなくなってしまったので予定変更したので、また時間あるときに今度は、クリスチャン・ボルタンスキーを見に行こうと思う。


2016年11月18日金曜日

ディリクレ指標の具体的計算---原始的(primitive)な指標を求めてみる

N=3の場合

ではN=3のときから順番に求めていきたいと思います。
\left(\mathbb{Z}/3\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{2}\}=\left<\bar{2}\right>となっています。 \begin{array}{|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{-1} \\ \end{array} このぐらいであれば、元の数がまだ少ないので、最悪の場合でも行き当たりばったりでも、それぞれの元の写り先が求められます。 全ての元を1へ写す指標(=主指標)は必ずあるので、それが 上の表でいうところの\chi_0です。
その他に、\bar{2}=\bar{-1}であるので、\chiが準同型であることから\chi(\bar{-1})=-1であるような写像もなければなりません。それが上の表でいうところの\chi_1です。

これで、導手N=3の指標は尽きます。
というのも、\chi(\bar{2})=e^{\frac{2\pi i k}{2}} (k=0,1)であるから、\bar{2}の写り先はk=0に対応する場合かk=1に対応する場合、つまり1-1しかないので、上記の指標で尽くされます。
\mathbb{N}の元に対応する形で表を書いてみると、こうなります。
\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}

N=4の場合

\left(\mathbb{Z}/4\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{3}\}=\left<\bar{3}\right>となっています。
この場合も考え方はN=3のときとほとんど同じです。結果だけ書きます。 \begin{array}{|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{-1} \\ \end{array}
同様に\mathbb{N}の元に対応する形で書くとこうなります。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \end{array}

N=5の場合

このあたりから様子がちょっと変わります。
\left(\mathbb{Z}/5\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{2},\bar{3},\bar{4}\}=\left<\bar{2}\right>=\left< \bar{3} \right>となるので、\bar{2}もしくは\bar{3}の行き先を決めれば、すべて決まります。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} & \Large{\bar{3}}& \Large{\bar{4}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{i} & \Large{-i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-i} & \Large{i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \end{array} 以上でN=5の指標は尽くされます。 N=3,4のときと同様に、\bar{2}の行き先を決めるという方向性で考えていけば、(\bar{3}から考えても結局は同じですが)  \chi(\bar{2})=e^{\frac{2\pi i k}{4}} (k=0,1,2,3)でk=0に対応する場合を\chi_0k=1に対応する場合を\chi_1という感じで決めていきます。(どれを\chi_1とするかは自由。)
同様に\mathbb{N}の元に対応する形で書くとこうなります。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & i &-i & -1 &0 & 1 & i & -i & -1 & 0 & 1 & i & -i & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & -i & i & -1 & 0 & 1 & -i & i & -1 & 0 & 1 & -i & i & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & -1 & -1 & 1 & 0 & 1 & -1 & -1 & 1 & 0 & 1 & -1 & -1 & 1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}

N=6の場合

\left(\mathbb{Z}/6\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{5}\}=\left<\bar{5}\right>となっています。
これもN=3,4のときと同様です。なので結果だけ。 \begin{array}{|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{5}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{-1} \\ \end{array}
同様に\mathbb{N}の元に対応する形で書くとこうなります。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}

N=7の場合

これはN=5の場合に似ています。 \left(\mathbb{Z}/7\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{2},\bar{3},\bar{4},\bar{5},\bar{6}\}=\left<\bar{3}\right>=\left< \bar{5} \right>となるので、\bar{3}もしくは\bar{5}の行き先を決めれば、すべて決まります。
\bar{3}の行き先を決める方向性で決めていく(\bar{3}の列をみる)と、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} & \Large{\bar{3}}& \Large{\bar{4}} & \Large{\bar{5}}& \Large{\bar{6}}\\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & e^{\frac{2\pi i }{3}}& e^{\frac{\pi i }{3}}& e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{5\pi i }{3}} & -1\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_4} & \Large{1} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_5} & \Large{1} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{5\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{\pi i }{3}} & -1\\ \hline \end{array} となります。
以上でN=7の指標は尽くされます。 同様に\mathbb{N}の元に対応する形で書くとこうなります。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & 1 & -1 & 1 & -1 & -1 & 0 & 1 & 1 & -1 & 1 & -1 & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_4 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_5 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \end{array}

N=8の場合

ここでも、今までとは違ったパターンが出てきます。
\left(\mathbb{Z}/8\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{3},\bar{5},\bar{7}\}=\left<\bar{3}\right> \times\left< \bar{5} \right>となるので、\bar{3}\bar{5}の両方の行き先を決めれば、すべて決まります。
\bar{3}\bar{5}もそれぞれ位数が2なので、それぞれについてN=3,4,6のときと同じように1-1を対応させます。
\bar{3}1へいくか-1へいくか、\bar{5}1へいくか-1へいくかなので、指標は全部で4つ出てきます。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} & \Large{\bar{5}}& \Large{\bar{7}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \end{array} 同様に\mathbb{N}の元に対応する形で書くとこうなります。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \end{array}
便宜上、N=nのときのi番目の指標を\chi_{i,n}のような表記で書くことにする。

\pi_{8,4}\left(\mathbb{Z}/8\mathbb{Z}\right) ^{\times}から\left(\mathbb{Z}/4\mathbb{Z}\right) ^{\times}への自然な全射準同型とすると、   \chi_{2,8}=\pi_{8,4} \circ \chi_{1,4}  となっています。
実際、比較してみればN=4の指標表が、 \begin{array}{|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{-1} \\ \end{array} N=8の指標表が、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} & \Large{\bar{5}}& \Large{\bar{7}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \end{array} となっています。

もしくは\mathbb{N}の元に対応する形の表であれば、N=4のときの\chi_1は、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 0 & 1 & ・・・\\ \hline \end{array} 一方、N=8のときの\chi_2は、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -1 & ・・・\\ \hline \end{array}
つまり、N=8の指標 \chi_2N=4の指標 \chi_1から誘導されます。さらに言い方と変えればN=8の指標 \chi_2の導手は4となります。

N=8\chi_2以外の指標(自明な指標 \chi_0は除く)はN=4の指標との合成では書けないので、原始的、primitiveな指標です。

これが、前回の記事(ディリクレ指標の定義)の定義1-2-2や定義2-2のように考えるやり方。

定義1-2方式で考える場合には8の約数(4と8)での指標全て、合計6個を対象にそれを\rhoとします。\rhoの選び方によっては\rho(n) = \chi(n) ( \forall n , (n,8)=1)ではあるものの必ずしも8の指標ではないものもあるので、そういう\rhoが取れてしまう\chiは原始的ではありません。

\chi_1\chi_3であれば、\rho(n) = \chi(n) ( \forall n , (n,8)=1)ならば、M=8が言えるので、原始的です。

定義1-2-2や定義2-2方式のほうが現代っぽくて、回りくどくないので、以下の例ではすべて定義1-2-2や定義2-2方式で書きます。

N=9の場合

同様に、\left(\mathbb{Z}/9\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{2},\bar{4},\bar{5},\bar{7},\bar{8}\}=\left<\bar{2}\right>=\left< \bar{5} \right>なので、\bar{2}\bar{5}の行き先を決めれば、すべて決まります。
(結局同じことになりますがが)\bar{2}の行き先を決める方向で進めます。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} & \Large{\bar{4}}& \Large{\bar{5}} & \Large{\bar{7}}& \Large{\bar{8}}\\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & e^{\frac{\pi i }{3}}& e^{\frac{2\pi i }{3}}& e^{\frac{5\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} & -1\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_4} & \Large{1} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_5} & \Large{1} &e^{\frac{5\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} & -1\\ \hline \end{array} となります。
以上でN=9の指標は尽くされます。

同様に\mathbb{N}の元に対応する形で書くとこうなります。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & e^{\frac{\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & e^{\frac{\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{5\pi i }{3}} & 0 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & -1 & 0 &1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 &1 & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_4 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1 & 0 & 1 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & e^{\frac{2\pi i }{3}} & 0& ・・・\\ \hline \chi_5 & 1 & e^{\frac{5\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{2\pi i }{3}} & -1 & 0 & 1 & e^{\frac{5\pi i }{3}} & 0 & e^{\frac{4\pi i }{3}} & e^{\frac{4\pi i }{3}} & 0& ・・・\\ \hline \end{array}
\pi_{9,3}\left(\mathbb{Z}/9\mathbb{Z}\right) ^{\times}から\left(\mathbb{Z}/3\mathbb{Z}\right) ^{\times}への自然な全射準同型とすると、 \chi_{3,9}=\pi_{9,3} \circ \chi_{1,3}  となっています。
実際、比較してみれば、N=3の指標表が、 \begin{array}{|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{-1} \\ \end{array} N=9の指標表が、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} & \Large{\bar{4}}& \Large{\bar{5}} & \Large{\bar{7}}& \Large{\bar{8}}\\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & e^{\frac{\pi i }{3}}& e^{\frac{2\pi i }{3}}& e^{\frac{5\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} & -1\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{1} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_4} & \Large{1} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} & 1\\ \hline \Large{\chi_5} & \Large{1} &e^{\frac{5\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{4\pi i }{3}} &e^{\frac{2\pi i }{3}} & -1\\ \hline \end{array} となっています。

もしくは\mathbb{N}の元に対応する形の表であれば、N=3のときの\chi_1は、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array} 一方、N=9のときの\chi_3は、 同様に\mathbb{N}の元に対応する形で書くとこうなります。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & -1 & 0 &1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 & -1 & 0 &1 & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array} つまり、N=9の指標 \chi_3N=3の指標 \chi_1から誘導されます。さらに言い方と変えればN=9の指標 \chi_3の導手は3となります。

N=9\chi_3以外の指標(自明な指標 \chi_0は除く)はN=3の指標との合成では書けないので、原始的、primitiveな指標です。

N=10の場合

同様に、\left(\mathbb{Z}/10\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{3},\bar{7},\bar{9}\}=\left<\bar{3}\right>=\left< \bar{7} \right>なので、\bar{3}\bar{7}の行き先を決めれば、すべて決まります。
(結局同じことになりますがが)\bar{3}の行き先を決める方向で進めます。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} & \Large{\bar{7}}& \Large{\bar{9}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{i} & \Large{-i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-i} & \Large{i} & \Large{-1}\\ \hline \end{array} 以上でN=10の指標は尽くされます。

同様に\mathbb{N}の元に対応する形で書くとこうなります。 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0& ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 &i & 0 &0 & 0 & -i & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 &i & 0 &0 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & 0 & -1 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 0 & 0 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & 0 & -i & 0 & 0 & 0 & i & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -i & 0 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array} \pi_{10,5}\left(\mathbb{Z}/10\mathbb{Z}\right) ^{\times}から\left(\mathbb{Z}/5\mathbb{Z}\right) ^{\times}への自然な全射準同型とすると、 \chi_{10,1}=\pi_{10,5} \circ \chi_{2,5}  \chi_{10,3}=\pi_{10,5} \circ \chi_{1,5}  となっています。(\chiの対応の順番に注意。\chi_1に対して\chi_2が対応というように順番が入れ替わっている。)

実際、比較してみれば、N=5の指標表が、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{2}} & \Large{\bar{3}}& \Large{\bar{4}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{i} & \Large{-i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-i} & \Large{i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \end{array}
N=10の指標表が、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline \hline  & \Large{\bar{1}} & \Large{\bar{3}} & \Large{\bar{7}}& \Large{\bar{9}} \\ \hline \Large{\chi_0} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} & \Large{1} \\ \hline \Large{\chi_1} & \Large{1} & \Large{i} & \Large{-i} & \Large{-1}\\ \hline \Large{\chi_2} & \Large{1} & \Large{-1} & \Large{-1} & \Large{1}\\ \hline \Large{\chi_3} & \Large{1} & \Large{-i} & \Large{i} & \Large{-1}\\ \hline \end{array}
もしくは\mathbb{N}の元に対応する形の表であれば、N=5のときの\chi_2は、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_2 & 1 & -i & i & -1 & 0 & 1 & -i & i & -1 & 0 & 1 & -i & i & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array}
N=10のときの\chi_1は、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & 0 &i & 0 &0 & 0 & -i & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 &i & 0 &0 & ・・・\\ \hline \end{array} 従ってN=10の指標 \chi_1N=5の指標 \chi_2から誘導されます。さらに言い方と変えればN=10の指標 \chi_1の導手は5となります。


さらに、N=5のときの\chi_1は、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_1 & 1 & i &-i & -1 &0 & 1 & i & -i & -1 & 0 & 1 & i & -i & -1 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array} N=10のときの\chi_3は、 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline  & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 &11 & 12 & 13 & 14 & 15 & ・・・\\ \hline \chi_3 & 1 & 0 & -i & 0 & 0 & 0 & i & 0 & -1 & 0 & 1 & 0 & -i & 0 & 0 & ・・・\\ \hline \end{array} 従ってN=10の指標 \chi_3N=5の指標 \chi_1から誘導されます。さらに言い方と変えればN=10の指標 \chi_3の導手は5となります。

N=10\chi_1\chi_3以外の指標(自明な指標 \chi_0は除く)はN=5の指標との合成では書けないので、原始的、primitiveな指標です。

N=11の場合

N=5,7などのときと同様の流れなので省略します。この場合も指標はすべて原始的、primitiveです。

N=12の場合

同様に、\left(\mathbb{Z}/12\mathbb{Z}\right) ^{\times}=\{\bar{1},\bar{5},\bar{7},\bar{11}\}=\left<\bar{5}\right>\times\left< \bar{7} \right>なので、\bar{5}\bar{7}の行き先を決めれば、すべて決まります。

ここあたりまでくれば、ほとんど今までの繰り返しです。N=8のときを参考に原始的指標まで求められると思います。

さすがに量が多くなってきたので具体的な指標表を書くのは省略します。

N=13以降

これについても大抵の場合は今までの繰り返しと組み合わせです。
指標表が大きくなってしまうので省略します。というか暇があれば、その先も書こう書こうかとも思いますが、いずれにせよ今回はここで終わりにします。
続きを書く場合には別記事にしようかと思います。


2016年11月16日水曜日

ディリクレ指標の定義

今までとは少し趣向を変えて、数学の話題についてもかこうと思います。

で、しかもいきなりですが、ディリクレ指標やL関数あたりのやや専門外の人にとってはマイナーな話題について書こうと思います。

まずは今回はディリクレ指標の定義などについて書きます。

ディリクレ指標の定義1-1

以下の3つの性質を満たす\chi : \mathbb{N}\longrightarrow \mathbb{C}\mod Nのディリクレ指標という。

  1. a \equiv b \mod N \Longrightarrow \chi(a)=\chi(b)
  2. \chi(ab) = \chi(a)\chi(b)
  3. (a,N)\neq 1 \Longrightarrow \chi(a) = 0

1.のは一度\mathbb{N} \rightarrow \mathbb{Z}/N\mathbb{Z}と写し、\mathbb{N}からの写像とはいいつつも実際は\mathbb{Z}/N\mathbb{Z}上の写像のように考えているという意味です。
2.はわざわざ説明するまでもないかと思いますが、\chiが準同型だという意味。
3.は1.に加えさらに、\left( \mathbb{Z}/N\mathbb{Z} \right)^{\times}上に制限して考え、それ以外は0にします、という意味です。

原始的ディリクレ指標の定義1-2-1

\chiが導手Nの原始的ディリクレ指標とは、任意のNの約数M>0(真の約数ではないので、Nの場合も含む)と、任意の\mod Mのディリクレ指標\rhoに対し、 \rho(n)=\chi(n)\forall n , (n,N)=1)ならばM=Nとなるものをいう。

\rhoの条件を満たす指標で、導手が最小のものを\chiに付随する原始的指標という。

原始的ディリクレ指標の定義1-2-2

ほとんどいっていることは同じですが、間にワンクッション入れ、誘導される指標を定義してから原始的ディリクレ指標を定義する方法もあります。
  1. MNの約数とする。また、\psi\mod Mのディリクレ指標とする。このとき、 \chi(n)=\begin{cases} \psi(n) & ((n,N)=1) \\ 0 & ((n,N) \neq 1) \end{cases} と定めれば、\chi\mod Nのディリクレ指標になっている。(真面目になるならこれも確かめる必要がある。ほぼ明らかだけど。)

    このとき、\chi\psiから誘導されたディリクレ指標という。
  2. \chi\mod Nのディリクレ指標とする。
    MNの真の約数とする。また、\psi\mod Mのディリクレ指標とする。
    このとき、\chi\psiから誘導されないのであれば、\chiを原始的ディリクレ指標という。
  3. \chiを誘導している指標で原始的なものの導手を \chiの導手ということもある。

ディリクレ指標の定義2-1

ディリクレ指標の定義自体も、まわりくどい言い方をせずにもっとシンプルな表現で定義する方法もあります。いっていることは同じ。

準同型写像\chi : \mathbb{Z}/N\mathbb{Z} \rightarrow \mathbb{C}^{\times}のことを\mod Nのディリクレ指標という。

原始的ディリクレ指標の定義2-2

  1. \mod Nのディリクレ指標\chiに対し、次の図式を可換にする\mod nのディリクレ指標 \tilde{\chi}が存在する最小のn \mid Nを \chiの導手という。
  2. \mod Nのディリクレ指標 \chiが原始的であるとは、\chiの導手がNであることをいう。

こちらの記事もどうぞ。
ディリクレ指標の具体的計算---原始的(primitive)な指標を求めてみる

2016年11月13日日曜日

Violaの一日

今日はほぼ一日、音楽関係の予定をこなした一日でした。

まず、午後から個人レッスンがあったので、午前中から直前の悪足掻きの個人練をするつもりでしたが、起きれず。練習時間はとることはできましたが、大幅削減。

セビシックをやっており、オケの譜面でもあまり出てこないような、新しいボーイングを取り組んでいるのですが、難しい。

ゆっくりのテンポから、しかも「練習の練習」というか、目標の課題に至るまでの事前練習から順を追ってやっているのですが、事前練習すら既に難しい。

結局、ウォーミングアップ程度と感覚の確認程度の練習をしてレッスンへ。




レッスンは30分。今自分は行っているのはボーイングと音階だけ。

いつも先生からは「もう一つなかったっけ?」と聞かれるが、今はこれだけ。よくあるケースでは、それに加えてエチュードもやる人が多いようだが、課題を絞って厳密に取り組むのもそれはそれでいいのではないかとのこと。

しかしいざ始めてみると、ボーイングがやはり難所で30分のうち25分ぐらい使ってしまう。
それでも、やっと、という感じ。

一方で音階はほぼ完成しているので、残り5分程度でチェックのみ。外しがちな音だけいくつかチェック。




レッスン後は、12月にエキストラでのるオケの練習へ。



チャイコフスキー交響曲第5番、今日の練習は2楽章、3楽章。

学生時代に所属していたオケのOBとして参加。練習場所やいろんな用語が懐かしい。

チャイコフスキー5番も学生時代に一度やったことがあるが、技術力があがった今みるとまた違った風景が見えてくる。




日々の進歩は微々たるものなので、停滞しているような気もしてしまうが、ふと振り返ると、実は成長しているなと感じて、安心し、自信がつき、そしてさらなる邁進にモチベーションがあがる。


2016年11月7日月曜日

水菜としめじの和風サラダ

今日も料理をつくってみました!

水菜としめじの和風サラダ。


味の調整についてまだまだ改良の余地はありますが、美味しかったです。
水菜の歯ごたえが心地いい。


2016年11月2日水曜日

50周年記念演奏会を終えて

つい先日10月30日に、高校の管弦楽団の50周年記念演奏会が終わりました。

なんと来場は家族や招待客などなど含めてではありますが1000人を超えたとのことです。

で、当日ホールにいた方々の中には、観客側にも演奏者側にもいたようです。

演奏者側でいえば、プロオケで活躍していらしたもしくは現在も活躍中の方が乗っておられました。(個人名は伏せます)

一方で観客側には、僕も又聞きではあるのですが、校歌の作詞をされた方ですとか、富士高校の前身である、第五高等女学校の卒業生の方などもいらしていたそうです。

特に校歌では泣いている方もいらしたとか。

そんな素晴らしい演奏会に演者として参加できたのは非常に光栄です。

もっといろいろな方の感想などは僕のFacebookからいろいろ探索したほうが、いろんなものが出てくると思います。


レセプション後の全体写真



もう二日経ち、今日は仕事もいったり日常が戻りつつありますが、熱が冷めないうちに、感じたことを書いておこうと思います。


苦手意識

まずは割と軽めの話題から。
僕は大学の時にデュカスの『魔法使いの弟子』をやって以来、8分の6拍子とかで、三つ区切りの音型が続いてところどころボーイングがアップアップが入るパターンが苦手でした。
そのアップアップ自体は割と良くある音型・ボーイングだと思いますが、早いテンポで一連のパッセージのなかで出てくるのがすごい苦手。

ボーイングそのものもそうですが、パッセージ全体としてみたときに、アップアップがどこにくるのかという、法則性のようなものが未だにわかりません。
ボーイングの都合上(どこかをダウンで弾きたいのでとか)少なくともどこかでアップアップを入れる必要があるだろうというのはなんとなくわかるのですが、じゃどこに入れるの?といったことが感覚的にわからない。

だから、いつも最終的に決まったボーイングを腕に刷り込んで対処しているという次第。
本当はあまり理解しないまま、行き当たりばったりで覚えるのはあまりよろしくはないのだとは思いますが。

幻想交響曲も5楽章がまさにそういうパッセージだらけ。

今回この幻想をやったからといってすぐに解決するわけではありませんが、しっかりさらって、本番では意識せず体が反応して演奏そのものに集中できたので、少し自信がつきました。

いつか絶対『魔法使いの弟子』はリベンジしたい。

ゲネプロ

意識した言葉

今回は節目の演奏会ということもあり、また数年ぶり楽器を再開して一回目の演奏会、むしろこの演奏会のために楽器を再開したという逆転の動機も半分ぐらいあり、思い入れがありました。
久しぶりに楽器を始めるにあたり、テクニカルな部分を思い出すのももちろんですが、心構え的なことも、思い出しながら日々練習してきました。

特に日々頭の中を駆け巡っていたのは、『心は熱く、頭は冷静に』『ゆっくりで弾けないものは速く弾けない、ゆっくり弾ければ速く弾ける。。。かもしれない』『速く正確に弾く訓練(音程もリズムも)』『暗譜してないのは弾けたうちに入らない』『本番で楽しむために苦しむ』

もうなんだかんだ楽器を初めて10年近くなり、本番も何度も経験し、音楽的なこと以外でも成長はしているので、頭は冷静にという部分は、自分なりにコントロールできていたのかなという気がします。

それがベースにあり、難しいパッセージも闇雲に練習するのではなく、テンポが速くなった場合でも対応できる現実的なフィンガリングを考えたりとか、なぜこのパッセージは難しいのかを分析してそれをどう対処すればいいか考えたり、スコアを読んでアンサンブルを理解したり、時にはひたすらメトロノームで少しずつテンポをあげていくといったような地味な練習もこなしたりしました。

本番で楽しむためには地味なことも必要。楽なことだけやっていても上達はしない。

すべてがすべて完全にできたわけでは、ないけれど前進はしているな、したなという実感があります。
魔笛のゲネプロ。自分はおり番で待機中。


自分のアイデンティティ

もともとはそんなに深く考えて、この演奏会へ参加表明したわけではありませんでした。
2年ブランクが開いていたので、これ以上ブランクが開くとさすがにやばいかな、そろそろ再開しようかなと思っていたところに、たまたま今回の演奏会の参加募集を見つけたので、景気付けにと思って参加表明しました。

本番に向けて半年ほど練習を重ねていく中、その期間音楽以外のことでもいろいろありました。

8月には29歳の誕生日を迎え、30歳まであと一年ということになってしまい、普段とは少し気持ちが違う誕生日を迎えました。
もうすぐ、20代の10年が終わってしまう、このままでいいのだろうか。そもそもこの10年何をしてきたのだろうか、そもそも「私」は何者なのか。
30歳まで一年を切った焦りも少しあり転職活動なども始めたことなどもきっかけで、考えるようになりました。
そんなことを考える過程で、必然的に音楽(ビオラ)は私にとってどういう位置付けなのかといったことにも考えが及びました。

もっと本番が近づいてくると、演奏会の告知などもし始めます。というより僕が楽器を始めたことも含め報告をすることもありましたし、ここ数年で出会った人については楽器をやっていること自体知らない人もいるので、そういうこともお知らせしました。

特に、僕がビオラを弾くことを知らない人に告知する際は、「なんの楽器をやっているのか」と聞かれます。そのときにビオラをやってますとお伝えするわけです。
そのとき、「ビオラ」以外の楽器を伝えることのイメージが湧かないのです。(バイオリンやチェロを弾けるわけではないので当たり前ですがそういう浅い話ではないような気がします)

ふとそう感じたときに、10年間ビオラとしての役割を果たしたりや立ち回りをしてきたので、そういう精神的な部分まで、ビオラという存在が根付いているのかなと思いました。

そして、改めてビオラをこれからも続けていきたい、またコミュニケーションが苦手な自分としては、第二、第三のコミュニケーションツールなんだからこれを手放さないようにしようと思いました。


自分の力

今までは演奏者側の表側の話。

今回、裏方の方も大変でした。

常設のオケではないので、このために集まった人たちの中で、そのなかで随時役割を分担し、担当外の人でもフォローしあい、係についていない人でも、意見を表明するという形で協力していました。

そのメンバーでこんなにも大きなイベントを行いました。

中心で活動していた人たちは本当大変だろうと思いました。ありがとうございます。

そして自分は何をできただろうかと思う。

仕事なんて探せばいくらでもあったと思う、探そうとしただろうか。

失敗を恐れて動き出そうとしなかったか?そもそも自分は、何で貢献できただろうか。自分の能力はあるのだろうか。

裏方の仕事など、目立ちはしないけど重要な仕事に関する部分では、自分はあまり成長していなかったのかなと、情けなく思ってくる。

裏方作業の方でも、もっと貢献して、運営を回していけるようになる、そういうのが生きるためのスキルなんだろうか。

そういう意味で、周りの人に助けられてばかり。周りの人に喜んでもらえるように、「与えられる人間」になりたいなと思いました。


レセプションは都庁の展望台貸切


こんなに大人数が一同に会する演奏会。
50年の歴史のうち、一桁の代の方々のご挨拶